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ノートの宇宙、はじまりのスターウォーズ
小学生の姉咲たくみ少年は、映画「スターウォーズ:エピソード1」を観た日の夜、いてもたってもいられなくなり、100ページのノートを買いに走った。
そこに描き始めたのは、映画の模写ではなく、自分だけのスターウォーズの世界だった。
新しい星、新しい都市、そして宙を舞う戦艦たち。映画という宇宙からもらった火花が、彼の中で一つの銀河を生んだのである。
やがて高校では建築の道を選び、大学では本格的に建築を学びながら、絵を描き続けた。
「絵はいつでも描ける」と思い、あえて建築を選んだのは、父が建設業だったこともあり、家族を納得させるには最もスムーズな道だった。
しかし彼の心は「建てること」よりも「描くこと」、そして「想像すること」へと向かっていた。
大学院を出た後、彼は作家として歩み始める。
「建築を建てる人」ではなく、「建てない建築を描く人」として。その第一歩は、ノートに広がった少年の銀河の続きだった。
ペン一本で空を浮かせる
姉咲の作品には、現実のようで現実でない建物が登場する。
雲の上に浮かぶ集合住宅。空中に伸びる塔。都市が爆発して、空へ巻き上がるビル群。
だが、これらはCGでも3Dでもない。すべて、細いペン一本で描かれているのである。
彼が使うのは建築用のドローイングペン。紙はマーメイド紙という、表面がボコボコした紙だ。
この紙はペンとの相性が悪く、線がかすれる。しかしその「かすれ」が、彼にとっては味になる。
空気の濃淡、雲の浮遊感、光のぼやけた境界線。それらをこの紙とペンの「仲の悪さ」で表現する。
制作手順は丁寧だ。
まずiPadでラフを描き、水張りした画用紙に下書きをして、ペンで清書する。さらに影を入れ、雲を描き、全体のバランスを見て仕上げる。
10号サイズの作品で1ヶ月、50号では半年かかる。
制作時間は1日3〜5時間と決めており、夜12時には必ず手を止める。作品と詩のセットで構成されるため、絵だけでなく文章も平行して生まれていく。
作品はまさに緻密のかたまりだが、そこには「未来」が詰まっている。
現在の技術では到底実現できない構造物を、あえて描く。
そうすることで、「いつかこれができるかもしれない」と思わせる力を持たせるのだ。ペン一本で空を浮かせる。それが、姉咲たくみの超未来建築である。
「もしも未来が反重力だったら」という物語
彼の作品には、すべて物語がある。まるで映画の脚本のように、設定が練られ、キャラクターが動き、世界が展開していく。
たとえば『爆心地、重力異常地帯』では、奇病により原子が振動し爆発が起き、建物ごと人々が空へと巻き上げられるという設定だ。
重力が乱れた都市。それはSFでしかないが、もし本当にそんな未来が来たら?という問いかけがある。
姉咲は言う。
「空想の世界を描くことで、人がそこに憧れ、やがて現実にしようとする」。鉄腕アトムに憧れた子どもがロボット工学者になるように、彼の絵を見た誰かが、反重力を研究する科学者になるかもしれない。
建築とは、未来の暮らしをデザインする仕事である。
3年後に建つ家も、300年後に浮かぶ都市も、その原点は「想像すること」なのだ。
姉咲の描く建築は、今は建てられない。
だが、だからこそ人はそこに夢を見る。そして彼はその夢を、物語としてペンに乗せて届けてくれる。
Schedule
Public View
4/19 (sat) 11:00 – 19:00
4/20 (sun) 11:00 – 17:00
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